株式投資で損切が大切な理由(ゲーム理論)

ゲーム理論とは

20世紀前半に天才数学者フォン・ノイマンと経済学者モルゲンシュルテンが経済問題を分析するための理論として考えたのが「ゲーム理論」の始まりです。数学者ナッシュなどの研究により発展してきた新しい経済学の一分野です。利害が対立する者同士の関係や駆け引きを分析するツールとして意思決定や交渉に利用されています。

「囚人のジレンマ」「ナッシュ均衡」という単語を耳にしたことある人もいらっしゃるのでは。

ゲーム理論によれば、株式投資では儲けようとするよりも、損をしないようにすることが有効とされています。

20%下がった株がもとに戻るためには25%の上昇が必要

1,000円の株が20%下がると、800円になります。

では、800円の株が1,000円に戻るには何パーセントの上昇が必要でしょう。

800円×120%=960円。下落率と同率上昇しても、まだもとに戻りません。

800円×125%=1,000円。

つまり、損失を取り戻すには、下落率(20%)より大きな上昇率(25%)が必要になります。感覚的には下落率と同じ上昇率で良いと思いがちですよね。

下落率がより大きければ、更に大きな株価の上昇率が必要になり、損失を取り戻すのがどんどん難しくなります。

損失を出している株は早めに見切って損失を最小化し、利益を出している株の利食いは先送りして最大化する。これが有効な戦略とされています。

想定される最大の損害が最小になるように決断する戦略は「ミニマックス法」と呼ばれるゲーム理論の一つです。

ただし、この理論は株式投資をゼロサムゲームと見た場合、つまり複数の意思決定者が駆け引きを行っており、誰かが得をすれば、誰かが損をするゲームととらえた場合の話です。個別株の短期的な取引で有効な戦略だと思われます。

経済成長によりすべての株がいずれ上昇し、投資家全員が恩恵を受ける「プラスサム」という前提には立ってはいません。市場全体のインデックスに投資する場合、つまり経済成長によるプラスサムにかける長期投資の場合には、株価の動きに一喜一憂せずに持ち続けるというのはありでしょう。

また、下落率を上回る上昇を見せる株もありますから、ミニマックス法が必勝法とも限りません。しかし、こうした考え方を知っておくことは相場に向き合うのに有意義です。

「素人ほど損切をしない」と苦言を呈している経験者が多いですから、やはり損切は大事。自分の実感とも符合します。

「ゲーム理論」に興味をもたれた方には、こちらの本をおすすめします。

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