株クラで投資法を語る人
SNSの「株クラ界隈」には、さりげなく成功自慢をする人や、投資法を説く人がたくさんいます。でもこうした人にミスリードされて後悔する人も後を絶ちません。いったいどんな人たちが生息しているのでしょう。
儲け自慢をしたい人
人は他人との比較で幸福を感じます。年収800万円以上収入が増えても、幸福感の向上に結び付かないという統計上の調査結果があります。行動経済学の知見によれば収入の絶対額が増えるより、同期社員より収入が多い。同じ部署のなかで自分のボーナスが多い方だった。といったことで幸福感が増すことがわかっています。中年世代の同窓会では給料や地位の高さをアピールしたい気持ちが強くなります。
株式投資で成功した人は資産残高を見てニヤニヤしているだけでは満足できず儲かったことを吹聴したくなります。しかし、常に勝ち続けることができる人はほとんどいません。なので、相場の流れが変わるたびに「儲かっていた人」の投資法を揶揄するツイートが出てきて論争が始まります。
しかし、こうした論争に加わっても無意味です。他人を論破するより自分が儲けることの方が大事。結果を出せばいいだけです。逆に人の儲け話を真似して損したからといって文句は言えません。

投資指南をするカリスマ
投資アドバイスをビジネスにしている「投資の専門家・プロ」がいます。とりあえず何か言っとけば、いくつかの予想はあたりますから、それを「実力」と誤解して新興宗教の「教祖」のように盲信する人たちが出てきます。有料サービスでやっている人は、ほとんどこのタイプと思って間違いないでしょう。
「教祖」は実際に投資で成功した実績があるうえ相当の知見を持っている場合も多いです。しかし、将来におきることが確実にわかることはありません。あれこれ言った後に「投資は自己責任で」という決まり文句が出てきます。なお、投資助言業者は法令に基づき財務局に登録されていますが、投資判断が自己責任であることは登録業者の助言によるものであっても変わりません。
この種の「教祖」を信じて大金を投じた人は、もはや簡単に「教祖」の唱える投資法を否定できません。第三者が「教祖」を批判しているのをみつけると擁護する論陣を張ることになります。ところが、あまりに損失が拡大し我慢できなくなると今度は「騙された」と言って自分が「教祖」の批判を始めることになります。有名垢の周辺で良く起きているケースです。
この経験がある人は「マネーの公理」にある次の言葉を読んで自戒してください。
予測について
人間の行動は予測できない。
誰であれ、未来がわかるという人を、たとえわずかでも信じてはいけない。
すべての預言者は、時々正しいし、時々間違っている。どちらかというと後者の方が多い。
成功する投機家は、おそらく起こるであろうことについて行動したりせず、その代わり、起こったことに反応する。現時点で実際に起こりつつあること、目の当たりにすることができる出来事にすぐ反応する。
マネーの公理 マックスギュンター著
カモられずにお金を増やす方法
実はノーベル経済学賞を受賞したマーコウイッツのモダンポートフォリオ理論で経済学的にもっとも正しい投資法はインデックス投資ということで一応の答えは出ています。みんなの好きな「じっちゃま」もVTI奨めてますよね。でも、この結論は「退屈でつまらない」ので、一回説明すれば終わりになってしまいます。それでは投資アドバイスがビジネスにならないので、いろいろな投資法を面白く語るエンターティナーが登場するわけです。
ということで、「カモられずにお金を増やす方法」は結局インデックス投資だという「つまらない話」をわかりやすく書いてある株式投資の「入門書」としてこちらの本をお勧めします。
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