ネット証券の両雄SBIと楽天。系列銀行との連携機能もあり、比較されがちなライバルです。
この記事では2022年1月基準で、使い勝手を中心に両社のサービスを比較しました。
比較結果の概要
SBI | 楽天 | |
アプリの性能 | △ | 〇 |
銀行連動機能の充実度 | 〇 | △ |
円金利 | 〇 | △ |
外国為替手数料 | 〇 | × |
米国BDCの取り扱い | × | × |
米国コモディティーETF(DBA、DBC)の取り扱い | × | 〇 |
確定申告 e-TAXでのXMLデータ利用 | 〇 | × |
アプリの性能
SBIは2021年4月、米国株用のスマホアプリをリリースしました。それまで、米国株アプリが無いことが弱点でした。米国株アプリが無いのでSBIは使わないという人が多かったはず。
では、アプリリのリース後はどうか?
楽天のアプリは内外一体。国内株と米国株を一つで管理できます。SBIは別々。
更に、楽天では評価損益・実現損益(期間・口座区分指定可)が照会できますが、SBIの米国株アプリでは保有証券の評価損益照会機能だけです。
なので、いまでも楽天が優位です。SBIはPCサイトもごちゃごちゃして見にくいというのが定評。
スマホアプリ、PC版ソフトいずれも楽天が優位です。
銀行との連動サービス
SBI
住信SBIネット銀行との間で米ドルをリアルタイムで振替できることに優位性があります。
例えば米ドルの配当金を子供の留学費用等に充当するために、定期的に銀行に振り替えて米ドルのまま海外送金で使うというようなことができます。また、住信SBIネット銀行のデビットカードにはドル決済機能が付いています。これも米株の売却益をドルのまま海外旅行や海外通販で使う機会の多い人にはメリットです。
(こちらの記事をご参照下さい)
楽天
楽天銀行との口座連携サービス「マネーブリッジ」が魅力です。
マネーブリッジの設定をすると楽天銀行の普通預金に金利0.1%が付利されます。また、証券取引の決済に必要な資金や余裕資金を、証券口座と銀行口座の間で自動振替する機能があります。米国株の購入にもこの機能が使えるようになり一層便利になりました。
ところが、2021年12月に0.1%の金利が付利される残高上限が300万円に制限されることになりました。

定期預金金利の比較
SBI
住信SBIネット銀行は一年物定期に0.1%を付利しています。ボーナスシーズン恒例のキャンペーン金利です。上限額はありませんから、楽天銀行の普通預金金利0.1%の上限300万円を超える資金を確定金利で運用したい人にとっての代替手段になりえます。

それから、住信SBIには定期預金を担保にした自動貸し越し機能(いわゆる「当座貸し越し」)機能があります。一定金額を定期預金にしておくことカードの引き落とし漏れが防げるので安心です。楽天銀行にはこの機能がありません。
楽天
「資金お引越しサービス」金利として一か月間だけ0.1%を付利していますが、住信SBIのような定期預金金利の上乗せサービスはありません。

外国為替手数料
米株投資家には気になる、ドル転・円転時の手数料です。
両証券とも1米ドルあたり25銭で同じなのですが、住信SBIネット銀行では4銭です。なのでSBI証券米株を買う場合には銀行側のより安い手数料でエクスチェンジしてから証券口座にドルを振替れば良いことになります。
SBI(ネット銀行)

楽天(証券)


適用レートの比較
同一時点(2021年12月29日21:50)で実際に適用されているレートを比較したところ、差額は1ドルあたり23.1銭でした。
一万ドルを円転すれば、2,310円の差ですね。米株の配当金を円転して生活する場合(米国株配当金でFIREしている人)には少額ですが影響します。
米ドル→円の適用レート | ||
住信SBIネット銀行 | 114.93 | |
楽天証券 | 114.699 |
SBI(ネット銀行)

楽天(証券)

米国BDCの取扱
楽天証券の大きな魅力になっていたのが、米国のBusiness Development Company を取り扱っていたことです。日本の大手ネット証券会社でBDCを取り扱っていたのは楽天だけでした。
ところが、2021年12月ついに楽天証券でも取扱い停止になりました。
米国コモディティーETF
楽天証券では農産物(DBA)や石油・貴金属等(DBC)の米国上場ETFを取り扱っていますが、SBIでは取り扱っていません。
SBIの電子交付サービス
2022年1月から、SBIの電子交付サービスがリニューアルされ「特定口座年間取引報告書」のxmlデータ提供が開始されました。こちらの画面からダウンロードできます。

確定申告でe-TAXを利用している人は、特定口座年間取引報告書の内容を手入力する必要が無くなります。xmlデータを読み込ませることで確定申告の作業が楽になります。(楽天はこのサービスを提供していません)
まとめ
ということで、これから新規に口座開設するなら、SBIだと思います。
しかし人の趣味嗜好はそれぞれ。自分が重視するサービスに応じて好きな方を選べば良いということになります。
既にどちらかを利用している人でNISA口座を設定済みの場合、今更他社に移るのは面倒です。また取引データの継続性を重視して楽天を使い続ける人もいるでしょう。(NISA口座で保有している株は移管できません)
参考にしていただければ幸いです。
コメント