株価の暴落のあとに必ず読まれる恐慌論の名著「大暴落1929」

2008年リーマンショックが起きた後、本屋さんの店頭にジョン・K・ガルブレイス著「大暴落1929」が山積みされました。

当時買い求めた1冊が今も手元にあります。本の帯には「株価暴落のあとに必ずよまれる恐慌論の名著」とありますが、2020年のコロナショックではこの手の本は本屋さんに並びませんでした。並んだのはパンデミック本。つまり経済より、人命・医療の危機にまず皆さんの関心が集中したということです。

株価は一時暴落したものの、短期間に回復。2021年現在、むしろバブル警戒論を聞くまでになりました。

すこしさかのぼって、リーマンショックが起きた当時のことを思いだしてみました。当時は「需要消失」がキーワードでした。

  • イトーヨーカドーの正月福袋の商品が「ガソリン券」になりました。
  • 古い物の下取りセールが活発になりました。古い靴や鍋をもっていくと新しい物を値引くというように実用品の安売りに小売店が必死になりました。実用品しか売れなくなったからです。
  • 知人が5,500万円で買った戸建てを3,500万円で処分しました。
  • 別の知人が不動産が安くなったといって戸建てを購入しました。
  • 住んでいたURの賃料が値下げされました。近隣相場が下がったからということでした。
  • 新興の不動産会社が仕込んだマンション用地の着工が中断、いつのまにか財閥系不動産会社が完工して販売していました。
  • 自動車メーカーがハイブリッド車の普及に熱心になりました。

今でも「リーマン級のショックが起きたら云々」、とか「百年に一度の経済危機」とか言いますが、1990年の日本の「バブル崩壊」に比べるとリーマンショックはたいしたことは無かったと感じます。

「バブル崩壊」時は販売中の完成済みマンションに立ち寄ったら、5分もたたないうちに営業マンが「1本値引きます」・・「1本て100万円ですか?」・・「いや、1,000万円。そのかわり先に買った人に内緒にしてください」という調子で不動産価格の下落は底なしという雰囲気でした。大手銀行や証券会社の倒産もありました。企業の統廃合も進みました。

「大暴落1929」には信用取引やレバレッジが暴落の原因になっていたこと、政府や大銀行が有効な手を打てなかったことが書いてあります。

リーマンショックが起きた当時、昭和課長は日本株の現物だけに投資していましたが、投げ売りせずに株価が戻ったところで処分できました。あまり傷は負いませんでした。

むしろその後のギリシャショックの時、リーマンショックよりずっと小さな危機でしたがレバレッジをかけて買っていた225先物で痛手を負いました。

大暴落が起きても現物は持ち続けられるが、レバレッジをかけた商品は精神的に追い詰められ持ち続けらられないというのが教訓でした。

「バブル崩壊」でも「リーマンショック」でも日経平均は短期間に半値ぐらいになったのですが、前者は日本だけの問題で日本政府・日銀の対応が後手後手で不況が長期化しました。後者のリーマンショックは世界的な金融不安だったため米国のリーダーシップのもと各国が一気に大規模な金融緩和に踏み切り、株価も比較的早期に回復しました。

さすがアメリカ、自国の危機には本気で取り組みます。

世界の金融当局は「大暴落1929」の当時に比べると格段に危機対応能力が増しているのだと実感しました。

2020年のコロナショックでも大規模緩和のおかげで株価は堅調。ここからが思案のしどころ。

賢者は「歴史に学ぶ」といいますから「大暴落1929」は次のショックが起こる前、そろそろ読んでおくといいかもしれません。

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