コロナ禍で中止した結婚式のキャンセル料で悩んでいる方へ

もう、何度目かわからなくなってきた緊急事態宣言。やっと小康状態と思っていたら今度はオミクロン。

結婚式のキャンセル料に悩んでいる人に向けた記事です。

日本弁護士連合会の「新型コロナウイルス消費者問題 Q&A」

緊急事態宣言の影響でいろいろな「予約」をキャンセルせざるを得なくなった方が多いと思います。何度も延長したけど、もうあきらめるという人もいるでしょう。

高額のキャンセル料を請求されたり、先払いした費用を返金してもらえない人、相手とどう交渉していいか悩んでいる方いますよね。

そんなあなたの参考になるのが、日本弁護士連合会 消費者問題対策委員会がホームページに掲載している「新型コロナウイルス消費者問題 Q&A」です。

いろいろな契約のトラブルについて法的な考え方が示されています。

結婚式について

日弁連のQAから引用です。

Q7

結婚式場での結婚式を予定していましたが,新型コロナウイルスの影響で,やむなくキャンセルしました。直前だったので,式場から多額のキャンセル料を請求されました。キャンセル料を支払わなければならないのでしょうか?

日本弁護士連合会「新型コロナウイルス消費者問題Q&A 2結婚式のキャンセルについて」

 A

ケースによっては,キャンセル料を支払わなくてよい可能性があります。また,高額すぎるキャンセル料の規定は無効となる場合もあります。

挙式披露宴実施業者との契約(規約,約款)において,「お客様による解約」等のタイトルで,消費者から解約を申し入れた場合に解約料を請求する規定がある場合があります。もっとも,結婚式の開催が社会通念上,履行不能と評価し得るような状況下での解約は,いわば不可抗力による解約といえ(注1,注2),消費者からの申し出であっても,「お客様による解約」(新郎新婦の都合による解約)とはいえないと考えられる場合があります。その場合には,顧客都合を前提とする解約料の規定は適用されないと考えられます。

当事者間に不可抗力による解除に関する規定がない場合は,民法により判断することとなります。民法第536条第1項は,「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは,債権者は,反対給付の履行を拒むことができる」(債務者主義。なお,これは2020年4月1日施行の改正民法によりますが,改正前は「債務者は,反対給付を受ける権利を有しない」となっていました。)としています。

物理的には結婚式の開催が可能であっても,新型コロナウイルス感染拡大の状況下では,密閉された空間における家族以外の不特定多数での会食や,都道府県をまたぐ移動をほぼ必然的に伴う結婚式の開催は,法的には,社会通念上,双方に帰責性のない履行不能の状態にあると考えられます。

挙式披露宴実施業者は,挙式披露宴の実施という債務の履行ができないのですから,消費者(債権者)は,代金支払いを拒むことができると考えられます。あらかじめ代金を払い込んであった場合は,(案内状の送付等,既にサービスの提供を受けた部分を除き)挙式披露宴実施業者の不当利得となりますので,消費者はその返金を求めることができると考えられます。なお,この場合でも,挙式披露宴実施業者が負担した実費相当額(既に作成した案内状等の費用)は消費者が負担しなければなりません。

また,不可抗力か否かを問わず解約時にはキャンセル料規定を適用するものと規定されている場合でも,そのような定めは消費者契約法第10条により無効となると考えられますので,いずれにせよ,上述のとおり,民法536条第1項に基づき処理されることとなります。なお,仮に不可抗力による解約といえない場合であっても,消費者契約法第9条第1号により,事業者が「平均的な損害の額」を超える解約料を請求することはできません。この「平均的な損害の額」については,基本的に実費相当額が目安になると考えられます。

【注1】新型コロナウイルス感染症対策本部の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年4月16日変更)によれば,「室内で『三つの密』を避ける。特に,日常生活及び職場において,人混みや近距離での会話,多数の者が集まり室内において大きな声を出すことや歌うこと,呼気が激しくなるような運動を行うことを避けるように強く促す」,「家族以外での多人数での会食を避けること」,「都道府県をまたいだ移動の自粛」を求めるものとされています。

【注2】ブライダル事業者で構成される公益社団法人日本ブライダル文化振興協会は,「緊急事態宣言が発令された場合の対応について」というタイトルで,会員企業に向け,「住民に対する外出自粛や施設等の使用制限が要請された場合,実質的には結婚式の実施は難しくなると想定されますので,対象期間内の新郎新婦様とは十分な意思疎通を図っていただき,ご対応をお願いいたします」と要請をしています(2020年4月6日)

日本弁護士連合会「新型コロナウイルス消費者問題Q&A 2結婚式のキャンセルについて」

業者さんとの交渉の仕方

日弁連のQAを読んでも、なにやら法律の理屈が難しくてよくわからない。相手とどのように交渉すれば良いのかわからない。という方いると思います。とはいえ弁護士さんに有料で相談するのも躊躇しますよね。

そんな時は、日弁連のホームページに載っているPDFフィルを印刷して、相手にそのまま渡してください。メールで連絡を取り合うことも多いでしょうからメールにPDFファイルを添付するのもOKです。そのうえで自分の希望を伝えてください。

自分の主張には法的な根拠があるということを相手に認識させ、淡々と交渉してください。あまり下っ端の担当者ではなく、それなりの上司・責任者に伝えるよう念押ししてください。できれば直接責任者に書類を渡して、自分の希望を伝えるのが良いでしょう。

担当者では法的な根拠をもって交渉されたことの重要性を認識できないうえ、自分に対応方法を判断する裁量が無いことがほとんどだからです。

感情的に苦情を言っても良い結果は得られません。

日弁連ではこう言っている、キャンセル料の請求は法的におかしいのではないか?先払いした分は返金すべきではないか?と主張してください。たいていの場合消費者が守られるはずです。

キャンセル料は払わない、支払済みの場合は返金をもとめる。そのことに法的な裏付けがあるということです。

それなりの業者であれば、まっとうな対応をしてくれると思います。

実際にやってみた

昭和課長の知人もこの方法で支払い済みだった結婚式費用をほぼ全額返金してもらえました。2度目の緊急事態宣言で諦めたときです。相手の業者は地方のホテルです。案内状印刷の実費だけは負担しました。

結婚式の予定日が「緊急事態宣言期間中かどうか」は必ずしも関係ありません。諸事情勘案してキャンセルせざるを得ないからというのもありです。

相手がいつまでも対応しない場合は、相応の期間を定めて返金を希望する期日と振込口座もメール等書面に残る形で相手に伝えて下さい。

合理的な理由なく期日までに返金しない場合、今度は相手方が債務不履行になり責任を負わなければいけない立場になるからです。

さすが、日弁連!

困った人のためになる文書を公表してくれています。

スポーツジム・塾、旅行のキャンセル等々、いろいろな事例が載っていますから、自分の困っている事案にあう内容の部分を相手に示して話し合うとリーズナブルな対応をしてもらえるでしょう。逆に言うと、法的にも自分が負担せざるをえないコストについてはあきらめざるを得ないということです。

それなりに名のある業者さんなら、これを見せられてゴネルことは無いと思います。相手も顧問弁護士等に相談すると同じ理屈になりますから無理筋は通せません。

日本弁護士連合会のホームページはこちら

スクロールすると、下の方に該当文書のPDFが添付してあります。

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