青春を山にかけて 植村直己

自分は家にある古本をメルカリで売りに出して処分しています。断捨離の一環です。

終活という側面もあります。老後の生活をシンプルにするために物を減らして身軽になるようにしています。

メルカリに出品した商品には忘れたころに注文が入ります。いざ売れると、ちょっと惜しい気持ちになって売れた本を読み返すのが常です。

かつて自分はどんな気持ちでこの本を手にし、購入したのだろう?自分の過去を振り返ることになります。

今日は「青春を山にかけて」という題名の植村直己さんの著書に注文が入りました。

植村直己さんは世界で初めて5大陸最高峰のすべてに登った人です。昭和59年2月に北米マッキンリーに登頂後、消息を絶たれました。

自分は登山が趣味というわけでもなく、この本のことはすっかり忘れていました。

購入者さんに発送する前に改めて頁をめくってみました。

植村さんは明治大学入学後に偶然入った山岳部で山に魅せられ、卒業後も就職せずに裸一貫、南米行きの移民船にのりこみます。外国の山に登ろうとしたのでした。

「そうだヨーロッパ・アルプスに行こう、そして日本にない氷河をこの目で見よう」

ヨーロッパ山行きまで、何年かかるかしれないが、とにかく日本をでることだ、英語ができない、フランス語ができないなどといっていたら、一生外国などいけないのだ、男は、一度は体をはって冒険をやるべきだ。

4万円をドルに替えた百十ドルそれが私の持参する金のすべてだった。

青春を山にかけて

その後、農園での重労働などをしながら世界を旅します。不法移民として送還されそうになるなどの危機も乗り越えていきます。

自分がこの本に魅せられたのは現地で働きながら世界を旅するタフな男の物語に惹かれたからでした。日本人にとって海外が遠い憧れだったころの話です。

海外でのチャレンジングな生活体験、その描写が山の話よりも興味を惹いたのでした。

自分も若いころは海外志向があり、海外勤務の経験をすることができました。植村さんに比べれば平凡でありきたりの人生でしたが、そう悪い人生でもなかったような気がします。

この記事を書いたことで踏ん切りをつけ「青春を山にかけて」とはお別れします。

メルカリの購入者がお若い人なら、きっと人生に大きな影響があるでしょう。

では、また明日。

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