となりの億万長者

億万長者はどんな人?

成功した実業家、大金持ちの御曹司、プロスポーツ選手、芸能人、医者、弁護士。金持ちといえば、こんなイメージ。

投資で成功した「億り人」もいるやに聞きますが、株式投資で一攫千金をめざしてもそう簡単にはいきません。むしろ大損して株式投資から退場した人の方が多いかと。

では、普通のサラリーマンがお金持ちになることはできないのでしょうか?

普通の人こそ「億万長者」になれる

そこで登場するのが「となりの億万長者」という本です。

著者の元ニューヨーク州立大学教授トマス・スタンリー氏は、全米の億万長者を対象とした大規模調査を実施しました。調査の結果、億万長者の多くが労働者階級の暮らす下町のありふれた家に住んでいることがわかったと言います。多くの億万長者は経済合理的で堅実な普通の生活の結果として富を築いていたのです。

そういわれると、皆さんも身近に心当たりがあるのではないでしょうか。

自分が銀行の新入社員だった35年前、某電力会社の食堂で雑役婦として働き定年を迎えたおばちゃんが一億円近い預金を持っていたのに驚いたことがあります。身なりも家もみすぼらしい、にこにこした実直そうなおばちゃんでした。満期になった定期預金の更新をお願いすると、黙ってニコニコ頷いていました。使う予定なんか全くない感じ。

蓄財優等生の期待資産額

では、蓄財の目標はどのぐらいに設定すれば良いのでしょう?スタンリー教授は「期待資産額」という指標を示しています。

期待資産額=年齢×年収/10

この計算式を使えば年齢と年収に応じた合格点がわかります。

30歳で、年収500万円なら、30×500万円/10=1,500万円で合格

大企業で役職定年を迎える55歳、年収1千万円なら5,500万円で合格です。

こうした貯蓄をしている「普通の億万長者」のライフスタイル・価値観も紹介されています。

日本で億万長者になるには、堅実な生活だけではなく平均年収(日本の民間給与実態統計調査ベース)の倍の収入が必要になりますが夫婦2人で働くと近づけます。ある程度リスクをとって「資金運用益」を得ることも重要です。

アメリカの住宅価格と生活水準

ところで資産形成と住宅には密接な関係があると感じます。日本では普通のサラリーマンがローンで家を買うと貯蓄の余裕なんか無いという人が多いでしょう。では、この本が書かれたアメリカの住宅事情はどうなのでしょう。以下は、2021年4月22日 付Bloombergからの引用です。

中古住宅販売、7カ月ぶり低水準-価格高騰と在庫不足が足かせ

全米不動産業者協会(NAR)が発表した3月の中古住宅販売件数は、7カ月ぶりの水準に減少した。価格の高騰と物件不足が潜在的な買い手を遠ざけた。中古住宅価格(季節調整前、中央値)は32万9000ドル(約3600万円)と過去最高-前年同月からの伸びは17.2%で、過去最大

Bloomberg

このところ住宅価格は高騰していますが中央値3,600万円というのは東京の住宅に比べると比較的安く感じます。

では、アメリカの住宅とはどんな物件なのでしょう。アメリカの主要都市で25万ドル(2,800万円)で買える家を紹介している記事がありましたので引用させていただきました。

アメリカで25万ドルで買える家(2019年6月付)

さすがに、NYでは 1ベッドルーム、1バスルームのマンション、広さ : 500平方フィート(約46平方メートル)ですから、いい値段ですがそれでも東京都心部のマンション価格に比べれば安く感じます。

アメリカでも不動産価格は高くなっていますが「となりの億万長者」路線で蓄財に励めば、良い居住環境で豊かな老後を過ごせそうです。

日本で25万ドル(2,800万円)で買える家は

日本最大級の不動産サイトSUUMOで、東京都内、価格2,500万~3,000万の条件で検索すると、結果はこうです。SUUMO

ロケーションや建物の質など、アメリカの住宅と個別に比較できるわけではないのですが、アメリカの住宅に比べると貧相な印象ですね。もっと地方を視野にいれれば、もうすこし選択の幅は広がります。

ということで

生活不安が無くなる程度の蓄財は普通のサラリーマンでも堅実で経済合理的な生活をつづけることで可能なようですね。

こちらの記事も参考にしていただければ幸いです。

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