石破ショック 「世の中、嫉妬とソロバンだ」

自民党の新総裁に選出された石破氏が師と仰ぐのは昭和の大宰相田中角栄

尋常小学校卒で総理に上り詰めた異形の宰相、人間を知り尽くした田中角栄元総理は

「世の中、嫉妬とソロバンだ」

と喝破しています。

今回の総裁選もこの言葉で読み解けるのでは

嫉妬に負けたのが、最年少総理になりえた小泉進次郎氏、初の女性総理になりえた高市早苗氏

投票権を持つ議員の嫉妬の的となったのは間違いないでしょう。

他方、嫌われ者と言われながら4度も総裁選に挑んで負け続けていた石破氏、見た目は冴えず、もはや清新さは無い、今回負ければ政治生命は完全に断たれる。嫉妬されるどころか、哀れな感すら漂っていました。

昔のように金が飛び交うということも無さそうなので、「ソロバン」より「嫉妬」が左右するウエートが大きかったかもしれません。

そのうえで議員たちのソロバンがどういうものだったのかは、間もなく発表される党役員や閣僚の顔ぶれを見れば明らかになるでしょう。

嫉妬とは無縁にソロバンだけで動く金融市場は「石破ショック」に見舞われました。

こちらは、強欲渦巻く市場が勝手に高市当選によるアベノミクス再来を囃し立てていましたが、期待外れの結果となり上昇分が瞬時に剥がれました。

とはいえ冷静に見直すとあとを引くような下げでは無いとわかります。

次の図は日経225先物の3か月チャートです。「石破ショック」といっても、8月初の暴落程下げたわけではありません。高市当選を囃した短期筋の買い上げが一挙に崩れただけかと。

高市氏が当選していたとしても、すぐに利食う向きが多かったでしょうから、あまり気にする必要の無い相場の綾だと思っています。もっとも弱気が蔓延していると観れば、さらに売りを仕掛ける筋もでてきます。

また、石破氏が提唱した金融所得課税が相場を下押しすると言われています。しかし今年から来年にかけて国政選挙が続くことを考えると自民党内で簡単にコンセンサスが形成されるテーマとは思えません。

議員のソロバンの結果、思いがけず幸運を拾った石破氏が独りよがりな強権的改革を進めれば、すぐに引きずりおろされるのは目に見えています。

ドル円も146から142まで一挙に4円下げましたが、これも3か月チャートでみると短期的な上げを調整した範囲と観ています。

140円を割る動きになるかどうかは、10月に発表される米国の雇用関連データ次第だと思います。

結局のところ、株も為替も米経済次第で日本の国内政治は大勢に影響ないと観ています。

週明けバーゲンセールの期間は短いかもしれませんね。

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