公的賃貸住宅
賃貸住宅をお探しなら、公的サービスの利用が一番です。お勧めは以下の通りです。
- 独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)
- 東京都住宅供給公社
- 千葉県住宅供給公社
- 神奈川県住宅供給公社
- 東京都には「優良民間賃貸住宅」という制度があります。東京都が建設資金の利子補給を行っている住宅です。住宅の管理は、一般の民間賃貸住宅と同じく建物所有者(問い合せ先は管理・仲介事業者)が行っています。ただし平成16年度より新たな住宅の認定は行っていないとのことなので、物件は少し古くなっているかもしれません。でもお得だと思います。
URや公社の専用のサイトで空いている部屋を検索して申し込むことができます。
URは礼金なし・仲介手数料なし・更新料なし、保証人不要ですから、民間の物件よりお得。民間物件では保証人の代わりに保証会社と契約するのが一般的になっていますから保証料も必要になります。
不動産屋さんにもお得なUR
ところで、公的住宅は賃借人にメリットがるのみならず、民間の仲介業者(不動産屋)にもメリットがあります。一定の基準を満たした業者が物件の仲介を認められています。仲介した場合には手数料をURから貰えます。不動産業者にとっては仲介後の管理負担もないし、大屋さんとの付き合いのわずらわしさもありません、おいしい商売なのです。URの「あっせん(紹介)制度」で認められたUR賃貸住宅取り扱い業者には「UR賃貸住宅取扱店」のステッカーが交付されるので店頭に貼ってあります。
そのため、最近では公的住宅の仲介に特化して業績を伸ばす業者も出てきました。
URや公社に直接申し込むことが可能ですからあえて民間の取扱店を利用する必要は無いのですが、民間業者さんはURから受け取る手数料を原資に、「引っ越し祝い金」等の名称でキャッシュバックサービスをやっていることが多いです。ただ、これだと業者さんの利益が減るわけですから代わりに「家財保険」に入ってくれとか、引っ越しやを仲介するとか、関連サービスのセールスで何か利益を得ているのかもしれません。そのあたりをトータルに見極めて自分に得があると思えば利用するのもいいでしょう。
それから、民間業者さんのホームページでは空室情報を更新していないことが多いです。とりあえず載せてある部屋の照会があってから当該マンションの空室を確認して改めて案内してきます。他方URのホームページはほぼ最新の情報を掲載しているので、こちらで空室を確認したうえで敢て民間業者に連絡して仲介して貰った体にしてキャッシュバックを貰うという手もありです。
UR専用のインターネットが安い
比較的新しいURの物件では、NTT MEという会社が専用のインターネットサービス(BB-EAST)を1,925円(税込み)で提供しています。プロバイダ料金+アクセス回線料金 コミコミなので、かなりお得です。
賃貸住宅でもコストと質のバランスにこだわる。
「持家」に勝って、老後の金融資産を最大化するには賃貸期間中の住宅コストを下げなければなりません。とはいえ家族が健康で文化的な生活を送るための場所ですから安ければなんでもいいというわけにもいきません。
サラリーマンであれば勤務先の社宅・補助等の福利厚生サービスを利用することはもちろんですが、公的サービスも最大限利用して、居住環境とコストのバランスが良い物件を選んで下さい。何らかの公的セクターが関与しているサービスは、民間サービスよりおおむね経済合理的な選択になります。税金が使われているからです。
タイル張りの瀟洒な外観とか、豪華な内装、高度なセキュリティー等は望めず、見栄っ張りな奥さんには不満でしょう。しかし十分な採光・通風、安全基準への適合等、本来住宅にとって大事なことがしっかり担保されています。
当方がもっとも重視しているのは日当たりです。これは心身の健康に直結します。最低でも南向き。できれば東南角にこだわりたいところ。都市部では、難しいですが、こだわっていると出てきます。
また、最近は床暖房や断熱ガラス、温水シャワー付き便座、エアコン付きの物件も少なくありません。
URの住み心地、本当はどうなの?
ここで、「独立行政法人都市再生機構法」を見てみましょう。以下の引用は一部抜粋です。
(機構の目的)第三条 ・・・良好な居住環境を備えた賃貸住宅の安定的な確保を図り、国民生活の安定向上に寄与すること。
(家賃の決定)第二十五条 ・・・家賃の額については、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう定めなければならない。
家賃の額を変更しようとする場合においては、・・・・変更後の家賃の額は、近傍同種の住宅の家賃の額を上回らないように定めなければならない。
家賃を支払うことが困難であると認められるものである場合・・・・家賃を減免することができる。
独立行政法人都市再生機構法
公的機関は法律に基づいて運営されていますから、これらは、決して能書きではありません。
現にリーマンショックの際には、知人が持家を処分している傍らで、昭和課長が居住していたUR賃貸では、近隣の不動産相場が下がったことから家賃が減額されました。こちらから何も言っていないのに。
また、入退去時のコストも民間賃貸に比較し安くすみます。退去時の敷金返還については民間賃貸住宅では頻繁にトラブルになりますが、公的住宅では、まず満額返還されます。
節約のポイントは長く住むことです。はじめて物件の案内をみると民間の物件より家賃が高いと感じるかもしれませんが、契約更新費用がなかったり、管理費が安かったり、長く住むほど割安感がでます。良いものを長く使うのが結局安いという感じでしょうか。なので実は転勤の多い人より、転勤のない人、ほとんど引っ越しの可能性が無い人にとってこそURはお得です。
一昔前、公的住宅は低所得者層が利用するイメージで賃料も安いということがありました。抽選にあたらないと入居できないということもありました。しかし今では適正な相場家賃で先着順で入居できます。実際に住んでみると、駐車場にはベンツ等の高級車がおかれていることもあり、家賃を経費でおとすことのできる裕福な自営業者等がすんでるということもあります。持家より賃貸を好む富裕層というのはいるのです。車も経費なのでしょう。
近隣住民とのトラブルもなく、民度はむしろ高いと感じています。手前味噌ですが、公的サービスをうまく利用している人は賢いひとが多いですし賃貸住宅を選択する人はあっさりした人が多いようです。
賃貸住宅では近隣とのトラブル等の嫌なことがあればいつでも出ていけますから、分譲マンションの住民同士の同調圧力や、役員選びとか、修繕計画の実施のような面倒は一切ありません。むしろ中古の分譲物件には、素性のよくわからない住民がはいりこみ、居住環境が悪化しているところが多いのではないでしょか。
嫌なことがあったらいつでも逃れることができる。それでも困らないという立場にあることは、精神的自由の裏付けです。会社も住宅も同じことです。
参考にしていただければ幸いです。
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