米国株、とくに高配当銘柄への投資が人気化しています。
三菱サラリーマンさんが上梓した「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法」、バフェット太郎さんの「バカでも稼げる 「米国株」高配当投資米国高配当株投資」が有名です。
米国高配当株投資ってそんなにいいんでしょうか?
米国高配当株とは?
米国株は日本株に比べて高配当の銘柄が多いです。配当は4半期毎に支払われるのが一般的です。株主資本主義の国ですから経営者は投資家に報いることに熱心です。低金利の続く日本の常識から考えるとびっくりするような高配当銘柄があるのが事実です。年利3%~8%ぐらいまでいろいろな銘柄があります。
米国高配当銘柄には次のような分類があります。
- 配当貴族
- SP500構成銘柄
- 時価総額30億ドル以上
- 1日平均取引額が500万ドル以上
- 25年以上連続増配
- 配当チャンピオン
- 25年以上連続増配
- 配当侯爵
- 25年以上連続で12か月以内の増配を守ってきた銘柄
- 配当王
- 50年以上連続増配
この条件に該当する銘柄があるわけですから、米国企業はやっぱりすごいですよね。魅力があるのは間違いありません。
また、米国市場には普通株のほかにも、高配当のリートやBDC(Business Development Company)も上場されています。米国外の企業の株もドル建てで購入できるよう米国市場に上場されています。これをADR(米国預託証券)といいます。例えば、イギリスのBP ブリティッシュペトロリアム、オーストラリアのWBK ウエストパック銀行などです。
これから米国高配当株投資を始めようという人は前述の2冊よりも、銘柄選定方法や税金に関する知識を整理しているこの本で基本的なことを理解することをお勧めします。
米国BDC Business Development Companyについてはこちらの記事をどうぞ。
2020年コロナ渦中の配当株のパフォーマンスはどうだったか
米国高配当株が流行しだした2019年2020年初に投資した人はコロナ禍による株価暴落で残念な結果になった人も多かったでしょう。ここで、2020年の米国高配当株の状況(年間下落率:2020年11月20日現在)を振り返ってみます。
- 石油株:RDSB-46.61% BP-48.36 加えて戦後初めて減配。
- たばこ株:MO -19.98% BTI -13.12% 増配
- 通信:T -27.53% 増配
- 銀行:HSBC -35.35% 無配 WBK -14.19% 減配
- ETF:SPYD -19.61 % 減配
他方、代表的なグロース株はこうです。
- ZM:+546.09%
- TSLA:+485.20%
実は昭和課長も高配当株にある程度の資金を投じていたためコロナショックで大暴落に見舞われました。その後FRBの大規模緩和で相場全体が大きく戻し始めたにもかかわらず、高配当株の戻りは鈍いものでした。このため高配当株を長期保有することに拘らず銘柄を入れ替え、元本の回復を急ぐことにしました。グロースに飛び乗りコロナショック前の資産を回復できました。
一口に高配当株といっても、コロナ禍中の状況は区々でした。石油株が大暴落する一方、PG・JNJのように値を保ちながら増配した銘柄もあります。ARCCのように、高リスク銘柄と言われながらも、高配当を維持し株価も回復してきたものもあります。たばこ株は将来性を懸念されながらも増配する地力をみせました。
石油株の代表RDSBロイヤルダッチシエルのADR5年チャートを見ると、コロナ禍後1年でだいぶ戻してきましたが、まだまだ戻し切っておらず、長期投資家ほど含み損に沈んだ状態を甘受していることになります。
高配当株投資にはどのように取り組むのがよいのか?
結局。高配当株投資にも良いときも悪いときもあるということになります。長期投資だから気にしないという方もいらっしゃいますが、本音では資産が増えていれば満足だし、減っていれば不愉快です。昭和課長はキャピタル(含み損益)+インカム(配当)がプラスであればOK、マイナスであれば「ちょっとなー」と、普通に考えることにしています。多額の含み損を抱えて、配当があるから良いと自分に嘘をついても苦しくなるだけだからです。
高配当株に魅力があるのは事実ですし「本当の長期投資家」としてのメンタルと余命が十分ある人は、これを投資の中心に据えても良いと思います。しかし価格変動リスクがあるのはバリュー株もグロース株も同じ。そこを理解したうえで何に投資するか決めなければなりません。
昭和課長は高配当銘柄も引き続き保有しています。主な保有銘柄はBDC(Business Development Company)のARCCです。利回りは8%程度。BDCは高配当好きの玄人投資家に人気があります。高配当リートを組み入れたETFであるSRETの組み入れも考えています。
配当利回りは、高リスク銘柄>低リスク銘柄です。
安全を優先すれは利回りは落ちます。昭和課長は低リスクの銘柄に資金の多くを投じて配当額を増やすよりは、ほどほどの資金でARCCのような高リスク・高配当銘柄を保有する方が良いと感じています。長期保有に拘らず、市況次第で機動的に売買もするつもりです。そのうえで過半の資金はキャピタル狙いに投じます。
年齢やリスク許容度に応じた高配当株との付き合い方を自分なりに作っていくのが良いと思います。
参考にしていただければ幸いです。
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