マネーフォワードと楽天証券の米国株評価損益が違う理由。

マネーフォワードで米国株を管理している人は「評価損益が証券会社の評価損益と違っている?なんで?」と思ったことはないでしょうか。相違原因を探ってみました。

実例

楽天証券の特定口座で保有しているPSECの評価損益を比較してみました。(基準日は2021年5月7日 朝7時)

ちなみに、PSECは今では日本で買えなくなった高配当銘柄:米国BDCの一つです。

マネーフォワード

楽天証券の画面

上段が円表示、下段がドル表示

比較結果

平均取得価額現在値時価評価額評価損益評価損益率
MF$8.16$8.111,326,958円-8,934円-0.67%
楽天 円891円$8.111,327,079円-9,436円-0.70%
楽天 外貨$8.1646$8.11$12,165.00$-81.90-0.66%

マネーフォワードに照会してみた

マネーフォワードに計算方法を照会したところ、「計算方法や換算レートの照会には対応できない」との回答をいただきました。まー、しょうがないですよね。なにしろ無料で使わせていただいてますから(この記事を書いた当時は「マネフォ無料版」で10口座まで管理可能でした。口座数の制限については次の記事をご参照ください。)

なので、以下は当方の分析です。

相違原因

原因は2つ。円換算レートと計算方法の違いです。

円換算レート

楽天証券

随時更新(日中何度か更新されています。)

マネーフォワード

独自レートを適用(更新頻度不明、おそらく日本時間の朝、一日一回)

ちなみに、プレミアムサービスでは適用レートが画面に表示されます。こちらの記事をご参照下さい。

評価損益計算方法

マネーフォワードでは証券各社の評価損益(円貨額)をそのまま載せてはいません。

ドルベースの取得価格・現在値(前日米国市場の終値)で評価損益を計算し、その結果を一日に一回、円貨に換算していると推定されます。

正解は?

円ベースの損益としては証券会社(楽天)の円貨表示を一応の正解と考えて良いでしょう。

この表示では円簿価と円時価で損益を算出しています。取得時も評価時も円貨を確定させて管理しています。この計算方法は日本の源泉税を徴収する売買益の計算方法と一致していますので、税務会計上の損益になりますから、正解と考えて良いと思います。

ただし、米株投資を長くやっている人で売買の都度ドル決済を選択している人にとって、円簿価はあまり意味がなくなっていますよね。

実際に売却して円転するときには為替レートも変わっているでしょうから、手取り額にはどれも一致しないことになるでしょう。その意味ではすべて一つの目途と考えざるをえません。

楽天証券の説明(参考)

商品別資産残高の見方

米国株式の保有数量×株価です。

米国株リアルタイム株価の申請をされている場合には、現在値で評価しています。

米国株リアルタイム株価の申請をされていない場合は、15分程度遅れた株価で評価しています。

現地取引開始時(日本時間23時30分<夏時間は22時30分>)前は、前日終値で評価を行います。現地取引開始後は、次の優先順位で評価を行います。

優先順位:現在値>売り気配>買い気配>前日終値

当社で買付取扱をしていない銘柄は、計算に含まれない場合があります。

円貨換算適用レートは随時更新されています。

楽天証券の「商品別資産残高の見方」

平均取得価格(円簿価)の計算方法

平均取得価額は取得時の費用を含み(他社からの移管の場合は除きます)、評価損益額は平均取得価額と現在値との差をもって計算します。どちらも売却時の費用は考慮されません。当該銘柄を取得するために要した金額に税込手数料を加えた取得価額を保有数量で割った価額です。

平均取得価額の円換算額は取得時点の為替レートをもとに計算しています。

楽天証券の「保有証券一覧の見方」
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