自分が「宅建」に合格したのはもう30年以上前のことです。
当時、農家の田んぼを分譲住宅の開発用地として業者に仲介したことがあるのですが、話をつないだだけで契約に必要なことは業者に丸投げでした。その後、現場で不動産を扱ったことは一度もありません。
相続不動産の売却経験もあるのですが、この時も手続きは仲介業者任せでした。
資格があっても実務経験がありません。なので、ずっと街の不動産屋の実務を知りたいと思っていました。宅建試験は民法の権利関係や法令上の制限の比率が高く、合格できても仲介業者に必要なノウハウには直結しません。
そこで、実務経験の不足を補える本を探しました。(本当は実務に携わるのが一番いいんですけど・・)
いろいろ読んでみて役に立つと感じた本を紹介したいと思います。これから宅建を受験したい、合格したので実務を知りたい、開業を考えたい、保有不動産を売却したいそんな人の参考になると思います。
住宅新報社 「図解不動産業」 シリーズ
日本には存在しなかった「不動産物件調査業」を昭和59年に開業した津村重行さんの著書「不動産物件調査」シリーズが参考になります。大きな本屋さんにも在庫があまりないのですが「不動産」を商品として売る時に何を調べなければいけないのか、そのポイントがとてもよくわかります。津村さんは「物件調査」という概念を日本に紹介した草分けではないでしょうか。津村氏の著書は出版元でも在庫が無くなってきており、一部絶版になったものは希少本になりつつあるようです。(「不動産物件調査入門(基礎編)」は既に在庫が無くなり中古市場で高値がついています。)
自分は上下水道・ガス・電気等のライフラインの状況や建物の建築確認の調査が市役所でできることを知りませんでした。
不動産業界に就職した人、開業志向の宅建合格者が読みたい本
次の2冊が参考になります。
こちらは著者が不動産業界に入って一人前になるまでに必要だった知識を整理したものです。新人がノウハウを身に着けていくプロセスを辿りながら要点をコンパクトに整理してある良書だと思いました。
次の本の著者である池田浩一さんは「不動産の教科書」で有名ですが、自分はこちらの方が良いと思いました。下水道の構造図等「物件調査」に必要な知識を図表や写真を使って説明してあり現場のイメージがより具体的になります。
建物についての知識
次の一冊で木造建築の基礎が理解できます。不動産屋は建物についてもお客さんや業者と会話することが多いと思いますが、専門用語に通じているかどうかは相手から信頼を得るうえで大事ではないでしょうか。
水道、ガス、電気・・・ライフラインに関する知識
物件調査の一部として「市役所調査」による下水道の埋設状況調査やガス埋設調査などがあります。こうした調査を滞りなく行うためには、建築設備の知識が役に立ちます。給排水装置に市役所管理部分と不動産所有者の管理部分があることなど、普段気にしていない大事なことが解かります。
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