この記事では9281タカラレーベン・インフラ投資法人 について解説します。
自分は20口のホルダーです。2021年8月の分配金は税引き前で74,080円。優秀な高配当銘柄として長期保有しています。2021年8月20日現在の利回りは5.65%です。
インフラ投資法人
東証は、2015年（平成27）年4月30日、再生可能エネルギー発電設備等を投資対象とするインフラファンド市場を創設しました。タカラレーベン・インフラ投資法人は東証に上場した第一号のインフラファンドです。（2021年現在 7ファンドが上場されています）
本投資法人は、太陽光発電設備を投資対象としています。投資対象は再生可能エネルギーの固定価格買取制度が適用され、かつ、原則として既に稼働している太陽光発電設備です。なかなか手堅い投資先と言えるでしょう。
発電設備を賃借人へ賃貸し、賃料を受領する仕組みになっています。賃料が売り上げに相当します。投資法人と投資主との間の二重課税を排除するための税制上の要件（導管性）を満たすための工夫なので、投資家にとっては良いことです。
オペレーターが電力会社より受領する売電料の契約期間は、固定価格買取制度に基づき上場時点で残存期間17年以上を有しています。
固定価格買取制度
固定価格買取制度とは、再生可能エネルギー源を利用して発電した電気を、経済産業大臣が定める固定の調達価格で一定の調達期間、電気事業者等に買い取ることを義務づける制度です。発電事業に必要となる費用の大半である、発電所の建設コストを安定的に資金回収できるよう長期にわたって電気の買取を保証することで再生可能エネルギー発電への投資を促すことが狙いとされています。
配当（分配金）履歴
配当が支払われるのは、2月8月です。
配当実績は良好です
2021年5月期資産運用状況報告書
投資家の関心が高い部分を抜粋しました。
資料抜粋
公募増資や借り入れにより資産は順調に拡大しています。
借入金は金利上昇リスクへの備えとして固定化が進んでいます。金利負担がよくコントロールされています。
借入先はメガバンクから地銀・信金まで分散され、特定銀行への依存度は小さいと言えるでしょう。
固定資産の維持・修繕コストにも配慮されています。
改正地球温暖化対策推進法の成立
2021年5月、2050年の温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を明記した改正地球温暖化対策推進法が成立しました。
改正法では、市町村に対して、温室効果ガスの排出量の削減等のための措置、例えば再生可能エネルギーをどう促進するか等の施策につき、具体的な目標を立てることを求めています。
加えて、再生可能エネルギーを活用した脱炭素化を促進する事業の対象となる区域の設定を求めています。
再生可能エネルギーの導入には様々な法的な規制や制限等がありますが、促進区域においては、住民や事業者でつくる協議会で合意した事業計画を自治体が認定した場合、認可の手続きのワンストップ化や環境影響評価の簡略化などの優遇措置が図られます。
これらにより、再生可能エネルギーへの地方レベルからの取組みが加速することが期待されます。
まとめ
事業は順調に推移しており、配当に心配はないと観ています。また、政府の施策も太陽光発電に投資する投資法人にとっては順境とみていいのではないでしょうか。
本投資法人のスキームで懸念されるのは、スポンサーである株式会社タカラレーベンとの利益相反です。これはリートにも言えることですが、投資法人の設立母体となった不動産会社との利益相反的な取引について心配する見方があります。
しかし、取得している資産と資金調達の状況、支出の適正性は厳格に管理開示されているように見受けられ、あまり心配しなくて良いのではないかと思います。
太陽光発電設備については今後も積極的な取得を目指しており引き続き、収益性を維持しながら事業の拡大が期待できると思われます。資産運用報告の「今後の運用方針・対処すべき課題」には次の記載があります。
経済産業省より「FIT制度における太陽光発電の未稼働案件への新たな対応」が2018年12月５日付で公表されています。新ルールでは、2012年度から3年間に認定を受けた案件で運転開始期限が設定されていないものに対し、一定の期間内に一定の条件を満たさない場合、買取価格を見直すことが示されています。この結果として、実現性の厳しい案件が淘汰されることが想定されます。本投資法人は当面の間、太陽光発電設備を主たる投資対象とし成長戦略に基づき、資産の取得及び運用を行います
太陽光発電業界では今後淘汰が進むことも伺えますが、本投資法人は強者としてこの環境を利用できるという意欲と自信を感じます。
ということで、この銘柄は当分ホールド、安値があれば買い増しのスタンスです。
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