JEPIとは
カバードコール戦略で高配当を実現している米国ETFです。このタイプのETFは各種ありますが代表的な銘柄がJEPI(JPMorgan Equity Premium Income ETF )です。直近7%程度の利回りです。
ざっくり言うとSP500のオプション取引を利用して受取オプション料を利払いに充てる商品です。
カバードコール戦略については各種の動画がユーチューブにアップされているので、適宜ご参照ください。
この記事では、SP500インデックスファンドに投資するのとJEPIに投資するのでは、とっちが得なのか考察しました。
また、JEPIと同様にカバードコール戦略を採用している高配当ETFのQYLD(Global X NASDAQ 100 Covered Call ETF)と、配当原資の違いを分析しました。QYLDは「タコ足配当」だという風評があるためです。
JEPIとSPYのパフォーマンス比較
2024年10月19日現在(配当を考慮して調整)のパフォーマンスは次表の通りでした。
年初来 | 1年 | 5年 | |
JEPI | +14.92% | +22.58% | +75.59% |
SPY | +24.15% | +40.67% | +111.87% |
次のチャートは5年間のパフォーマンスを比較したものです。同程度の成績になっている期間もありますが、概ねSPYの成績が優っています。
配当原資は?タコ足配当?
JEPIの配当原資
運用会社JPモルガンアセットマネージメントのファクトシートです。
FS-JEPI配当については次の通り記載されています。
オプションの売却と米国の大型株への投資の組み合わせを通じて収入を生み出し、関連するオプションプレミアムと株式配当から毎月の収入ストリームを提供することを目指します
受取オプション料と受取配当金が原資になっており、ファンドが保有している株式の値上がり益や元本は取り崩していません。なので「タコ足配当」に該当しないと言っていいでしょう。
QYLDの配当原資
QYLDもファクトシートを確認しました。
QYLD-factsheet配当(分配金)については次の通り記載されています。
12か月分配金利回り
直近の基準価額をもとに、投資家が過去12か月間ファンドを保有していたと想定した場合の利回りです。過去12か月間の全てのインカム及びキャピタルゲイン、分配金、元本払戻金を合算した額を、直近の基準価額と同期間の全てのキャピタルゲイン分配金の合算額で除して算出します。
さらにグローバルエックスジャパンの銘柄紹介資料には次の記載があります。
➢ 一般的な指針として、QYLDの月次の分配は「獲得したオプション・プレミアムの半分」か「NAV(純資産額)の1%」のいずれか低い方に上限を設けている。分配されなかった分のオプション・プレミアムは原則として再投資される。
QYLDはインカムのみならずキャピタルゲインと元本を分配する場合があるので、これを「タコ足配当」だと言うのであれば、そうだということになります。
結論
- 資産の最大化を目指したい人には、JEPIよりSPYがお勧め。
- 投資元本をできるだけ温存しつつ、配当金を定期的に受け取りたい人にはJEPIもまずまず。(SPYを長期ホールドしつつ、定期的に必要なキャッシュを取り崩す作業をアウトソースできるファンドと考えることができると思います。)
- QYLDはキャピタルゲインと元本を配当する場合があるが、JEPIはインカム収入だけを配当に充てている。
ところでQYLDは相応のキャピタルゲインを得ていたがゆえに高配当を実現しているわけで、キャピタルゲインを分配しているから悪いわけではありません。赤字会社が粉飾決算で「タコ足配当」するのと同一視する必要はありません。仕組みを理解したうえで納得して投資するならそれもありです
ということで、JEPIは定期的に高い配当金を得たい人にとって比較的良い商品という評価になろうかと思います
自分も少し買って、投資成果を体感してみようと思っています。(投資は自己責任でお願いします)
参考にしていただければ幸いです。
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