50代後半のオジサンが、これまで生命保険とどうつきあってきたか振り返ってみました。
新入社員当時
定期付き終身保険
就職した会社と関係の深い保険会社の定期付き終身生命保険に入りました。保険料は月額約8千円。
当時は「日生のおばちゃん」に代表される「セールスレディー」が粗品を配りながら職場を闊歩していたものです。セキュリティーも情報管理もゆるい時代でした。
大学を出たばかりの22歳独身、保険については関心も知識もなく必要性も感じていませんでした。しかし社内の同調圧力に負けて加入しました。税制上「保険料控除」が得だから、とにかく控除の範囲でいいから入ってくれと言われました。
当時は保険の内容を良く理解していませんでした。「定期付き終身保険」は、終身保険と定期保険を組み合わせた保険です。終身部分はちょっぴりで、特約として高額保障がえられる定期保険(期間限定)が上乗せされます。一定期間が過ぎて年をとると保険料が上がります。当時ほとんどの人が保険の内容を良く理解せずに加入していました。年齢があがるにつれ、ある時突然保険料が上がります。そのタイミングで、長い間払った多額の保険料は掛け捨ての高額な死亡保障の保険料だったこと気づいてトラブルが続出した商品です。1990年代の定番商品でしたが、現在新規では販売されていません。
この保険は30歳でやめました。ある意味、被害は少なかったです。(累計保険料768,00円)
アフラックがん保険
入社後しばらくすると、勤務先子会社の保険販売会社からセールスを受け、アフラックのがん保険に加入しました。これも義務といった空気。保険料は月額890円、コーヒー3杯の保険料で生涯保険料が変わらないので、早く入るのが得とのことでした。その後定期的に乗り換えセールスの案内が来るのですが放ってあります。(35年間の累計保険料は378,300円)
給付の内容は次の通りです。いまの医療ではたいていの手術の入院期間は1週間。その後ほとんどが自宅療養ですから「がん」になっても、受け取れる保険金は知れていますね。
- 入院給付金が1日1万5千円
- 1退院で20万円
- がんで死亡時(65歳未満)150万円
- がん以外で死亡時(65歳未満)15万円。
30代~
定期付き終身保険を解約した後、共済に加入しました。
全労済
全労済の国民共済 総合保障タイプ 4口で掛け金が月額3,600円です。今は6口まで加入できますが、当時は4口まで。
都民共済
国民共済を補完する目的で、都民共済の総合保障2型にも加入しました。掛け金は月額2,000円です。
2つの共済合計で、病死が1,200万円。不慮の事故が2,400万円。交通事故死が3,400万円の共済金が受け取れます。(20年間の保険料は1,344,000円)
若い時の病死で数億円の保険金を受け取るためには、かなり高額の保険料が必要です。生きてても数億円のお金を持って家族が数十年働かずに過ごせるなんてことは無いわけですから、ほどほどの保険金がうけとれればいいだろうと考えてました。保障の必要な期間だけ共済の掛け捨てでカバーするというコンセプトです。
ちなみに、都民共済に入ると、池袋のサンシャインにあるブライダルプラザを利用できます。ここでは男性のオーダースーツを取り扱っています。品質が高く格安、2年に一回ぐらい仕立ててきました。スーツを仕立てたいおしゃれな若者にはお勧めです。
子供(0歳~18歳)の共済
全労済こども保障タイプ (月額1,200円)と 都民共済こども型 (月額1,000円)に加入しました。保障には親が死んだときの給付もついています。子供のいろいろなトラブルに関するリスクヘッジ用と考えました。掛け捨てで貯蓄性はありません。(2人の子供分で950,400円)
50代~
子供の学費の目途もたち、あるていど資産形成も進んできました。そろそろ保険はいらないだろうと考え、共済も全部解約しました。
今残っているのはアフラックのがん保険だけです。これも必要性は乏しいのですが乗り換えセールスには応じずそのままにしときます。
健康保険(国民健康保険)
これは公的健康保険のことです。自分はサラリーマンなので会社の健康保険組合に加入しているわけですが、現状の月額保険料は15,120円です。これが一番高い保険料です。一番頼りになる、実際に使っている保険ですね。
まとめ
保険は高い
これまで払った民間の保険料の合計は3,062,400円です。30年の運用益を考慮すれば失ったお金は350万~400万円ぐらい。得たものは安心?私立文系大学4年分の学費になります。月額で価格表示されている商品は、どんなものでも支払合計がいくらなのか確認するのが大事です。負担額の印象が随分変わりますよね。住宅ローンも同じです。
生命保険に入るなら
死亡保障だけの掛捨て保険を期間限定で利用するのが合理的だと思います。
総合型の共済には医療保険もついていますが、公的医療保険以外に民間の医療保険が必要と感じたことはありませんでした。公的保険が適用されない先進医療を保険でカバーした方が良いというセールストークもありますが、自分だけ高額医療で助かろうという発想もどうかと。
コロナ禍でも民間の医療保険に入っている人が優先入院できるわけでもなく、必要な治療には公的保険が適用されています、ワクチンは無料。医療保険に入っていて良かったという人がどれだけいるでしょう。
保険を全否定することはありませんが、老いてから後悔しても後の祭り。若いうちに良く考えて付き合うのがよろしいかと。
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